論説委員・黒沢大陸

 最近、「フュージョンエネルギー」という言葉を耳にする機会が増えた。

 フュージョンとは核融合。海水にも含まれる重水素を燃料として核融合発電できれば、二酸化炭素を排出せず、原発のような高レベル放射性廃棄物も出さない。太陽の内部と似た反応で膨大なエネルギーを生み出し、「地上の太陽」と呼ばれる。気候変動やエネルギー問題の解決につながる夢の技術だ。

 人間による核融合の技術は水素爆弾としては実現している。しかし、制御して安全にエネルギーを得るのは難しい。世界で開発が続けられ、日米欧など30カ国以上が参加する国際熱核融合実験炉「ITER」が建設中だが、計画通りには進んでいない。

 実現すれば、インターネット…

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