教室での授業風景。子どもたちは全て英語で学んでいる=2023年10月12日、大阪市生野区、大滝哲彰撮影
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 朝鮮半島にルーツを持つ人々が多く暮らす大阪市生野区にある小学校跡地に、昨夏移ってきた「アブロードインターナショナルスクール大阪校」。ここに通う中学3年のジョ・ソヨン(15)は韓国の京畿道生まれだ。

 2022年、半導体の研究者をしている父の転勤で突然、大阪へ引っ越すことに。異国での生活は初めて。不安だった。

 最初にぶつかったのは英語の壁。韓国で勉強してきたのは、実用的なものではなかった。ほぼゼロからのスタート。

 インターナショナルスクールは、学校教育法第1条に規定され日本の学習指導要領に基づいた教育をする「一条校」のほか、朝鮮学校や自動車学校などの「各種学校」に分類されるなど様々。「国際バカロレア」(International Baccalaureate=IB)は1968年設立の「国際バカロレア機構」(本部・スイス)による、グローバルな人材の育成を目指す教育プログラムで、日本での認定校は増加傾向にあります。

 でも、クラスメートが優しく教えてくれたし、必死になって勉強した。スクール生活が1カ月経った頃には、不自由なくしゃべれるようになった。

 母は韓国で日本語教室の先生をしていた。父はその教室に通って母と出会った、と聞いた。

 両親がたまに日本語で会話すると、意味がわからない。それが悔しいから、週2回は日本語教室に通っている。

 勉強も好きだけれど、自ら立ち上げたテコンドーのクラブの時間は特別だ。テコンドーは6歳の時から始め、「黒帯」を持つ。スクールに来て、初めて「先生」になった。みんなが興味を持って集まってくれると、うれしくなる。

 ソヨンにはもう一つ、「先生」としての顔がある。韓国アイドルの人気で、韓国語を教えてほしいと頼まれることも増えたのだ。友達がカタコトの韓国語をしゃべっているのを聞くと、つい楽しくて力を入れて教えてしまう。

 「大阪での生活は全部好き…

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