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毒をもつ「アズマヒキガエル」が本州から北海道へと入り込んだせいで、固有種「エゾサンショウウオ」の成長に悪影響が出ている――。そんな研究結果を北海道大学の研究チームがまとめた。エゾサンショウウオの幼生は、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を1匹でも食べると、成長が抑制されてしまうという。
もともと本州に生息するアズマヒキガエルは、「国内外来種」として北海道に入り込んだ。旭川市や札幌市、函館市など北海道内各地で近年、急速に分布を拡大させた。
体の表面から毒液を分泌することが知られており、人の粘膜に触れると痛みなどの原因になるとして、北海道自然環境局は「もし見つけても素手で触らず、触ってしまった場合はよく手を洗ってください」とホームページなどで注意を呼びかけている。
アズマヒキガエルの親は、池などで産卵する。まだ体の小さな幼生は、エゾサンショウウオの幼生にとってちょうど食べやすいサイズのエサとなる。
ところが、アズマヒキガエルの幼生は体内に毒を持っており、食べると中毒死するケースがあることが以前から指摘されていた。
北海道大大学院の井上嘉大さん(現・鎌倉女学院中学校高等学校教諭)、岸田治教授らのチームは、エゾサンショウウオの幼生の中に、中毒死せずに生き延びる個体が多くいることに注目。その成長の様子などを詳しく調べた。
専門家「これまで見過ごされてきた新たな脅威」
その結果、たとえ中毒死せず…