新型コロナウイルスの感染を防ぐ薬の候補を開発したと、東京科学大と大阪医科薬科大の研究チームが発表した。簡単に合成でき、変異ウイルスにも効果があることや安全性を動物で確認した。今後、臨床試験をしていきたいという。

 チームは新型コロナウイルスが感染する際に細胞につく「スパイク」と呼ばれるたんぱく質に注目。ウイルスの変異によってスパイクの構造がどのようになるのか詳細に解析。感染にとくに重要な部分の構造は、変わらないことを確認し、この部分に強くくっついて、感染をじゃまする薬を設計した。

新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質と、感染を防ぐらせん状のペプチドがくっついた構造=東京科学大提供

 薬は、簡単に合成できるペプチドというアミノ酸の連なりで設計した。

 デルタ株やオミクロン株などさまざまな変異ウイルスを感染させた細胞で、感染18時間後にこのペプチドを与えた。ペプチドがないとほとんどの細胞は死滅するが、ペプチドを与えると死滅する細胞の量が激減した。

 デルタ株に感染させたハムス…

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