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米カンザス州にあるカウリー大でプレーする千場尊さん(左)=本人提供
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現場へ! サッカー不毛の地は今(4)

 千場尊さん(20)は米カンザス州のカウリー大学でサッカーをし、2年目のシーズンを送る。高校卒業と同時に米国の短期大学でプレーする道を選んだ。

 「小さい頃からプロになりたいという思いがあったけど、日本の大学に行ったときに先が見えないな、と感じてしまったんです」

 高校までJ2のベガルタ仙台のユースでプレーした。3年のとき、ある関東の強豪大の練習に参加したが、部員数が100人を超えていた。トップチーム(1軍)とそれ以外の選手たちのモチベーションの差を感じた。下のチームは練習時間が短く、コーチもいなかった。

 そんな中で「ステップアップできるのは海外なんじゃないか」という思いがわき上がった。

 ビジネス化している米国の大学スポーツはプロのような実力社会だ。仲介会社に連絡し、自身のプレー映像を送ってオファーを待つと、6大学が興味を示してくれた。

 活躍すれば、強豪の4年制大学からオファーが届いたり、奨学金が支払われて学費が免除になったりする仕組みもある。1チームあたりの選手数は30人ほど。ブラジル人ら「上を目指す」志向の強い選手も多い。

 「頑張れば頑張るほどスカウ…

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