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9日午前11時ごろ(日本時間)に発生した太陽フレア(中央上の明るい部分)の紫外線画像©NASA/SDO

 太陽の表面で9日、「太陽フレア」と呼ばれる大きな爆発現象が起きた。国立研究開発法人「情報通信研究機構(NICT)」によると、放出されたプラズマガスが10日夜遅くにも地球に届いて、無線通信が乱れたり、全地球測位システム(GPS)の誤差が大きくなったりする障害が起きる恐れがあるという。

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 地球の磁場が乱れる「磁気嵐」の規模は、今年5月の時と同規模といい、北海道などでオーロラが見られる可能性もある。

 太陽フレアは表面の「黒点」と呼ばれる場所付近で起きる。NICTによると、5段階評価で最大規模とされる「Xクラス」の爆発が9日午前10時56分(日本時間)に発生した。規模はX1.8。黒点がちょうど地球側を向いているときに起きた。

 爆発で放出されたプラズマガスは10日夜遅くから11日未明に地球に達し、磁気嵐が起こる見込み。人工衛星の障害が起きたり、防災や消防などの無線通信や、航空機の管制のための短波通信が使えなくなったりする恐れがある。

 今回の爆発(X1.8)は、最大X8.7などXクラスが連続発生した今年5月の爆発時と比べると規模は大きくない。ただ、爆発が太陽の中央で起き、プラズマガスがそのまま地球へ直撃するコースをたどるため、5月と同じレベルの警戒が必要だという。

 5月の爆発では、磁気嵐によ…

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