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先代の味を受け継いだみそラーメン。先代がスープに溶かしていたコチュジャンは、客の好みで調整できるよう器に添える形に変えた=2024年11月6日、千葉県市川市、若井琢水撮影
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 千葉商科大学(千葉県市川市)の正門前にあり、学生や地域の人に愛されてきた町中華のお店「萬来軒(ばんらいけん)」が11月に復活した。店主の体調不良で2年前から休業していたが、同大に通う芹沢孟さん(22)が事業承継し、営業を再開した。再び明かりがともった老舗には、常連客らの笑顔が戻り始めている。

 11月初旬の昼時、同大の正門前に真っ赤なのれんがはためいていた。

 店内では学生がラーメンや唐揚げを口に運んで談笑していた。人気メニューは、昔から変わらないみそラーメンや手羽先をチューリップ揚げにした名物「萬来軒唐揚げ」。価格は400~750円と学生にやさしい。

 「ほとんど利益は出ないけど、学生が通いやすいように先代のときよりも100円ほど安くしている」と芹沢さんは笑う。

 印西市の会社員森昌之さん(49)は、休業前からの常連客だ。

 3年前。仕事終わりにふらっと立ち寄って食べた担々麺のおいしさに衝撃を受け、ほぼ全てのメニューを制覇するまで通い詰めた。

 この日、営業しているとは知らず、たまたま立ち寄った。「本当にうれしくて泣いちゃう。世界一うまい町中華なので、会社のみんなを連れてまた通いたい」

一度も店に入ったことなかったが…

 萬来軒は1957年開業で…

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