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国連総会について語るシンクタンク「国際危機グループ」のリチャード・ゴーワン氏=2024年9月26日、米ニューヨーク、遠田寛生撮影

 米ニューヨークの国連本部では24日から、各国首脳らが登壇する国連総会(193カ国)の一般討論が進められました。今年の総会は国際情勢にどのような影響を及ぼすのでしょうか。シンクタンク「国際危機グループ」の国連担当リチャード・ゴーワン氏に聞きました。

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 ――今年の焦点は。

 昨年10月7日、イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まってから初めて、新たに開会される総会です。テーマは「戦争と平和」だと言えるでしょう。パレスチナ自治区ガザのほか、ウクライナやスーダンなどで暴力が激しさを増しているのに、国連の対応は不十分に映っている。国際平和を担うはずの国連の役割が、著しく衰えつつあるという懸念が強い。公の場の演説だけではなく、外交官の私的な会話でも「国連は組織として終わってしまったのか」といった言葉がしばしば交わされています。

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