「私の成功と失敗を知ってもらうのが務めですかね」。こう語るのは、渡辺喜美さん(72)。かつて「みんなの党」(2009~14年)の代表を務め、「第三極」として注目を集めたが、最後は解散に至った。同じく第三極として注目を集める国民民主党の玉木雄一郎代表に送るメッセージとは。
安倍さんの自宅にこっそり「陰のキャスティングボート」
――渡辺さんもかつて、「第三極」として注目されました。与党とはどんなやりとりをしていましたか。
今とは状況が違うけど、「陰のキャスティングボート」だった時期がありました。安倍晋三政権のときです。
13年の参院選で、自公は過半数の議席を取ってはいましたが、自民党からすると、公明党よりみんなの党のほうが考え方が近いところもあったんでしょう。水面下でいろいろ協議しました。記者の目がない首相公邸とか、安倍さんの自宅にもこっそりと行ってね。
私は、当時5%だった消費税の引き上げをどうしても延期したかった。重要法案についても修正を迫って、大半の内容が取り入れられたこともありましたよ。
――表でやり取りできなかったんですか。
今の国民民主党なら、堂々と表でできる。だって、衆院で与党が過半数に達していないんだから。ほんとうに玉木さんがうらやましい。最強のカードを手にした。衆院のキャスティングボートなんだから強いですよ。
失速した理由は
――しかし、みんなの党はその後勢いを失い、解散します。
私は、誰と組むかより、何を…