土塊を積み重ねる珍しい方法で築かれていたことが最近わかった大分市の府内城跡(大分県指定史跡)の土塀の構造について、さらに新たな事実が明らかになった。国内の他の城で確認されている同様の工法とも異なる、土塊を粘土で挟み込むような特殊な造られ方がされていた。
府内城跡の土塀は昨年7月の豪雨などで一部が崩れ、修復のための調査が進められている。漆喰(しっくい)をはがしたところ、土塀の構造として一般的な「小舞」と呼ばれる木や竹を格子状に組んだ下地などが全くなく、れんが状に成形した土塊が積み上げられた構造が確認された。
城郭考古学者の千田嘉博・名古屋市立大教授によると、同じように土塊を積んで造られた城の土塀には、岡山県高梁市にある国の重要文化財、備中松山城の「三の平櫓(やぐら)東土塀」や、和歌山市の和歌山城の「岡口門」(国重文)の土塀などがある。
今回の大分市教育委員会の調…