衆院本会議で地方自治法改正案が可決された=2024年5月30日午後0時53分、岩下毅撮影

 大規模災害や感染症の大流行などの非常事態に国が地方に対応を指示できるようにする地方自治法改正案が30日の衆院本会議で与野党の賛成多数で可決され、衆院を通過した。焦点だった国の「指示権」乱用への歯止め対策は小幅修正にとどまり、立憲民主党などから「地方分権の流れに逆行する」との批判が続く中、改正案は参院での審議を経て6月中旬にも成立する見通しだ。

 改正案には、与党のほか、日本維新の会、国民民主党が賛成。立憲、共産党、れいわ新選組が反対した。

 改正案は「国民の生命等の保護のために特に必要な場合」に、個別法で対応できなければ、国が地方に指示権を行使できるようにすることが柱。ただ、どのような場合に指示権を行使するのかについて、政府側は「現時点で具体的に想定しうるものはない」(松本剛明総務相)との答弁を繰り返し、立憲は「(改正案の)根拠となるべき立法事実がない」(大築紅葉氏)などと追及した。

 一方、国の指示権乱用の歯止…

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