【対局中継】張栩九段ー関航太郎九段 解説・安達利昌七段【第49期囲碁名人戦リーグ】

負ければ陥落の崖っぷちで踏みとどまった張栩九段=20日、東京・市ケ谷の日本棋院

 第49期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は20日、張栩(ちょうう)九段が関航太郎九段に白番半目勝ちし、リーグ初白星を挙げた。通算スコアは関と同じ1勝4敗となり、リーグ残留の望みを残した。

 張は本局に負ければリーグ陥落確定の崖っぷちにいた。1勝3敗の関も残留に黄信号が点灯しており、非情の“落とし合い”は両者必死の読み合いとなり、序盤から見応えのある応酬が繰り広げられた。

 序盤に張が捨て石を活用した曲芸飛行のような大サバキを見せて優位に立ったが、関も中盤、張の大石を狙った勝負手を決めて一気に追い上げる。最後は半目を争うミクロの勝負となり、張は終盤に終局までの手順を見極め、勝ちを読み切った。

 リーガー9人のうち4人が陥落する総当たりリーグ。すでに0勝6敗の志田達哉八段の陥落が決定。残る三つの陥落枠をめぐり、熾烈(しれつ)なサバイバル戦が続く。1勝4敗の張と関は、ともに残り3戦。負ければ即陥落の状況で、張の次戦は2勝3敗の山下敬吾九段との残留争い直接対決。関は一力遼棋聖とともに5戦全勝で挑戦者争いを演じている余正麒八段と対戦する。(大出公二)

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