4日に亡くなった唐十郎さんが主宰する劇団「唐組」は、唐さんの代表作の一つ「泥人魚」の東京公演初日を5日に迎える。新宿・花園神社境内に設けた紅(あか)テントの前で、座長代行の久保井研さんは報道陣の取材に「唐さんはこの赤いテントとともにいると思う。なにより芝居の好きな人だったので、客席の後ろから見守ってくれていると思います」と話し、亡き師の思い出を語った。
「泥人魚」は2003年に初演した作品。唐さんが長崎・諫早で、湾を閉め切って陸地にするための「ギロチン堤防」について取材し、書き上げた。
久保井さんは「唐さんはなにより人間くささを書きたかった人。その人間くささを、詩的なメタファーに置き換えたセリフにしている」とその魅力を語る。
作・演出・出演と様々な役割をこなし、劇団を引っ張ってきた唐さん。12年に倒れてからも、公演にはたびたび足を運んでいたという。「来るたびに劇中歌を口ずさみ、カーテンコールで舞台に呼ぶと、涙と鼻水でいっぱいになっていました。我々もなんとか座長に喜んでもらえる芝居を作らなきゃというつもりでやってまいりました」
知れば知るほど、分からなくなっていく
劇団員たちは4月、「泥人魚…