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答申を手渡す佐賀県いじめ問題対策委員会の高尾兼利委員長(右)=2024年10月9日午後2時2分、佐賀県庁新館、三ツ木勝巳撮影

 佐賀県立高校で同級生から暴言などを受けた生徒が「うつに近い不安障害」などの診断を受けた事案について、県いじめ問題対策委員会(委員長=高尾兼利西九州大教授)は9日、いじめ防止対策推進法が規定する「いじめの重大事態」に該当する、と県教育委員会に答申した。

 県教委によると、生徒は昨年10月、同級生5人から悪口を言われ、8日間欠席。その後、5人のうち1人と教員同席で話し合った際にこの同級生から暴言を受け、そのショックで心療内科を受診した。生徒の母親の訴えを受け、学校が県教委に報告。同12月に諮問を受けた県いじめ問題対策委が調べていた。

 答申は、学校の初期対応を問題視。丁寧な聞き取りでいじめの構造を理解し、組織的に対応する必要があったが、双方が相手の主張を受け入れる準備ができていない中で話し合いが行われ、重大事態を招いた、などと指摘した。

 県教委の担当者は「答申を真摯(しんし)に受け止めて対応していきたい」としている。(三ツ木勝巳)

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