もうすぐクリスマス。わが子に絵本を贈ろうという人も多いのではないでしょうか。「いろんな本を読んでほしいのに、同じ本ばかり読みたがる」「長く読み継がれている『名作』の中には、ジェンダー観など現代に照らすと違和感があるものも……」。そんな悩みをもつ子育て中の記者たちが、親子で絵本を楽しむとはどういうことなのか、東京子ども図書館(東京都中野区)司書の鈴木晴子さん(40)に聞きました。

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東京子ども図書館の鈴木晴子さん。児童室主任を務める=2024年10月2日、東京都中野区江原町1丁目、本間ほのみ撮影

「これ読んで」 いつも同じ絵本 いいの?

 ネットワーク報道本部・石川瀬里(子どもは8歳、4歳、1歳) 共働きでいつもバタバタ。でも、子どもたちは次々と絵本を手に「これ読んで」。お話を楽しんでいる時もあれば、あまり聞いていない時も。それでも「読んで」とせがむのはなぜなのでしょうか。

 東京子ども図書館・鈴木晴子さん 子どもにとって、もちろん「絵本が楽しい」ということもありますが、お母さんやお父さんなど身近な人が、忙しくても読んでくれるということ自体が、うれしいことなのです。

 絵本を読んであげるという行為は「ながら」ではできません。目も口も子どもと絵本に向け、他に何もできないですよね。だから、子どもは「自分だけのためにしてくれている」とよく分かるんです。「絵本=(イコール)幸せなじかん」として、絵本とのつき合いが始まるのは素敵なことです。

 同部・武田遼(子どもは1歳の双子) 最近は自分から絵本を持ってきますが、いつも同じ絵本。いいのでしょうか。

 鈴木さん 図鑑、物語、緻密…

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