2024年もあとわずか。各地で年越しそばの準備が進んでいる。
青森県黒石市がブランド化を目指す「牡丹(ぼたん)そば」の年越しセットが完成した。市内の有志が16年から本格的に栽培、生めんの年越しセットは初の試みという。
市農林課によると、牡丹そばは、江戸時代の北方警備に派遣された津軽藩士らが北海道に持ち込み、北海道で一時盛んに栽培された時期があった。その後に姿を消したが、交流のあった北海道網走市側から種を譲り受け、栽培を始めたという。
甘い風味と香りの強さが特徴で「幻のそば」とも言われる。栽培する農家は当初の13人から今年は20人に増加。栽培面積も3・5ヘクタールから13・3ヘクタールに広がり、約9トンを収穫した。
年越しセットは、市内で飲食店や宿泊施設を経営する「ツガルサイコー」が販売。試食した黒石市の高樋憲市長は「甘みが十分発揮される大変いいものができた」。同社の福士収蔵会長は「牡丹そばはまろやかで優しい」と言う。24日まで予約を受け付ける。
そばつゆとエビ天2本付き2人分税込み1800円。ファクス(0172・54・2175)で予約を受け付ける。問い合わせはホテルあずまし屋(0172・54・8021)。
青森県平川市の猿賀神社では、県産そば粉のおはらいがあった。食品メーカーと販売会社の共同企画で、県産品の消費拡大と食べた人の「口福(こうふく)」を願った。
おはらいを受けたのは、高砂食品(平川市)とスーパーを経営する紅屋商事(青森市)が製造・販売するそば粉8袋(1袋22キロ)。計3600食1800パックを「猿賀そば」として限定販売する。
神前に供えられたそば粉を前に、山谷聡禰宜(ねぎ)が祝詞(のりと)をあげ、両社の担当者が玉串を捧げた。紅屋商事の毛利友哉さんは「県産を使ったそばで香りたちもすごくよい」と話した。「猿賀そば」は県内のカブセンターなど19店舗で26日から販売予定。つゆ付き1パック税込み648円。