磯焼け対策で駆除された直後のやせたウニ=TKS提供

 岐阜市の水栓器具メーカー「TKS」と三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)がタッグを組み、磯焼け対策で駆除したムラサキウニの商品価値を高める研究に取り組んでいる。このウニは実入りが少なく捕獲対象になりにくい「やっかいもの」。水素社会を見据え、水素の製造時に出る酸素と独自技術を組み合わせる想定で蓄養実験をしたところ、担当者も驚くほどの効果が確認できたという。

 全国の海岸では、海藻が著しく減少する磯焼けが深刻な問題となっている。魚のえさや生息の場になっている「藻場」が失われて、生物が減少するため、沿岸漁業に大きな打撃を与える。

 原因のひとつとなっているのが、海藻を食い荒らすムラサキウニ。しかし、漁業者はこのウニを捕獲しても、ほとんど身が入っていないため、売り物にならず廃棄するしかないのが現状という。

2年前、TKSに届いた1通のメール

 水栓器具メーカーと建設コンサルタント会社。畑違いにもみえる両社を結びつけたのは、様々な分野で研究が進む、超微小の泡だ。

 TKSは1965年、「水栓…

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