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松山無声映画上映会の前夜祭ライブ「羅生門の夜」告知フライヤー=松山無声映画上映会実行委員会提供
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 松山市湊町3丁目のミニシアター「シネマルナティック」の開館30周年を記念した「生(ライヴ)演奏付(つき) 松山無声映画上映会」が10~14日に開かれる。ギャング映画の元祖と言われる「暗黒街」(1927年アメリカ)、名匠ジョン・フォードの初期の傑作として再評価が進む「香(かおり)も高きケンタッキー」(25年アメリカ)など、20世紀前半の名作サイレント映画に合わせて、大家や若手ら個性的な13人の音楽家が即興演奏する。

 スクリーンの前にミュージシャンが乗れる大きな舞台がある同館の仕様を生かした企画で、7回目の今回は規模を拡大した。5日間で2、3本立ての計7プログラムを披露する。上映会実行委員会の田中淳代表が「全国的にも珍しい」という映像と音楽の宴が、松山で繰り広げられる。

大友良英、坂田明ら演奏

 上映されるのは多様なジャンルの15本。上映時間は、ルイス・ブニュエルとサルバドール・ダリによる17分の衝撃的な実験映画「アンダルシアの犬」(28年フランス)から、第1次世界大戦を描いた全3部165分の反戦映画「戦争と平和(私は告発する)」(19年フランス)までさまざまだ。

 演奏陣は、上映会初回から参加している大友良英(ギター)、常連の坂田明(サックスなど)、中村達也(ドラムス)らに加えて、初参加の元ナンバーガール中尾憲太郎(ベース)ら、楽器もキャリアも多彩なメンバーを迎えた。

 作品ごとに異なる組み合わせで演奏、無音の画面に音を吹き込む。9日夜には「前夜祭」として大友、中村、中尾のトリオによるライブもある。

 田中代表によると、フリッツ・ラング監督のスパイ映画の草分け「スピオーネ」(28年ドイツ)では、007シリーズのようにコードネームで呼ばれるスパイたちが登場。着物姿の日本人スパイが任務に失敗して切腹するシーンもあり、当時のヨーロッパにおける日本人観をほうふつさせるという。

 競走馬牧場が舞台の「香も高きケンタッキー」で、馬たちの姿をとらえたフォードのカメラワークを、映画評論家の蓮實重彦さんは「冒頭の数ショットを目にしただけで、誰もがたちまち快い錯覚へと誘いこまれる」(文芸春秋刊「ジョン・フォード論」)と絶賛した。

 田中代表は「観客層が高齢化し、各地で存続が難しくなっているミニシアターの活動を盛り上げる一助になれば」と狙いを説明。「特に10~20代の若い観客にも楽しんでほしい」と話す。

 各プログラムとも前売り4千円、当日5千円(23歳以下1千円)。上映スケジュール、チケット申し込みはシネマルナティック(089・933・9240)か、公式サイト(https://silentmatsuyama.peatix.com別ウインドウで開きます)。(戸田拓)

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