
南海トラフ巨大地震への備えについて防災研究者らが講演する特別シンポジウム(徳島大学・日本地震学会主催)がこのほど、徳島市南常三島町1丁目の徳島大学であった。昨年の能登半島地震の教訓などを踏まえ、防災情報の発信や住宅耐震化の重要性などを提言し、会場やオンラインで約260人が耳を傾けた。
金沢大の平松良浩教授は、石川県珠洲市の高校生たちが、能登半島地震が起きる前の2022年6月に発生した最大震度6弱の地震の前後に、地域住民を対象に行ったアンケート結果を紹介。地震前のアンケートでは、津波への不安を訴えた人に備えをしているか尋ねたところ、「はい」と答えたのは5割強で、残り4割強は「いいえ」と答えた。地震後に改めて備えをしたか聞いても、この比率にあまり変化はなかったという。
地震後も備えをしなかったと答えた人の中には「何をすればよいか分からない」といった回答が目立ち、行政などから住民に向けて、防災情報がうまく伝わっていなかったことが浮き彫りになったという。
防災意識高めたきっかけは
平松教授によると、危機感を…