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バス停にも値上げのお知らせがある=2024年11月27日午後0時20分、札幌市、丸石伸一撮影

 札幌市や函館市、千歳市など北海道内の広範囲で路線バスの運賃が12月1日、一斉に上がる。値上げする路線がある会社は13社にのぼり、多くの社は値上げ幅の平均が20%を超えるという。27年ぶりとなる札幌市内の均一料金をはじめ、長く据え置かれていた路線が多い。なり手が減っている運転手の待遇を良くするねらいだが、効果は限られ、路線廃止や減便は続く見込みだ。公共交通の「空白地域」を減らすには、地元自治体の支援が欠かせなくなっている。

 最大手の北海道中央バス(小樽市)をはじめ5社が運行する札幌市内の均一運賃区間は、消費増税にともなうもの以外では1997年以来の値上げとなる。それぞれ30円ずつ高くなり、240円(短距離)か270円(長距離)になる。これらの路線を含め、北海道中央バスの値上げは計146路線にのぼり、小樽市や岩見沢市、滝川市、千歳市など主要都市に及ぶ。

 これまでは「地域の足」として公共性が高いため、据え置かれてきた。だが、運転手不足が深刻化し、昨年から路線廃止や減便が急増。

記事後半で、公共交通の「空白地域」を作らないための札幌市の取り組みを紹介しています。

 これを受けて各地で値上げの…

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