【動画】流氷の海を航行する巡視船「そうや」

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白い氷に覆われた海面に航跡を残しながら進む巡視船「そうや」=2025年2月22日午後3時17分、海保ヘリから、山本智之撮影
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 海上保安庁の巡視船「そうや」(3100トン)は「北海の守護神」と呼ばれている。その砕氷能力を生かし、氷に閉ざされた海で多くの命を救ってきた。これまでに航行した距離は、合計すると地球約48周分に達する。

 白く輝く流氷に、見渡す限りびっしりと覆われた海。氷の塊を次々と割りながら、「そうや」は力強く前進する。

 意外なことに、たくさんの氷と衝突を続けても、船内はほとんど揺れない。

 ときおり、大きな氷塊にぶち当たる。そのときだけは、「ズゴン、ズゴン、ガランッ」という音と、軽い振動が船室に響いてくる。

 氷の上に乗り上げ、船体の重さで割って進む「ラミング砕氷」という航法だ。

 強度を高めるために、船体の内側には普通の船よりも多く、あばら骨のような構造がある。

 また、船底の形状は丸みを帯びた「おわん型」になっている。これは、砕いた氷を後方へ流し、船体の安定性を高めるのに役立つという。

 その一方で、おわん型の船底…

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