ロシア領で北朝鮮兵がウクライナ軍と本格的に交戦を始め、多数が死傷したとする報告がウクライナなどから相次いで出されている。ロシア側が、北朝鮮兵の犠牲を隠す工作を試みているとの指摘もある。

 足を引きずったり、包帯が巻かれた手を押さえたり――。ウクライナ国家安全保障防衛会議傘下の偽情報対策センター(CCD)は18日、東洋人とみられる複数の男たちが廊下を歩く13秒の映像をSNSで公開した。

 投稿によると、ロシア南西部クルスク州やモスクワ州にある「北朝鮮兵のための病院」は、「負傷した兵士でいっぱいになっている」という。

 1万人超がウクライナと国境を接するクルスク州に送られたとされる北朝鮮兵については、韓国の情報機関・国家情報院(国情院)が19日、「少なくとも100人が死亡し、負傷者は1千人に達する」と国会に報告。米軍高官も17日、死傷者が「数百人に上る」とする分析を明らかにしていた。

 ウクライナ当局は18日午前の時点で、北朝鮮兵の死傷者について「200人以上」と発表。その後も増え続けているとみられる。ウクライナ特殊作戦軍は19日、クルスク州にあるウクライナ軍の陣地を襲撃してきた北朝鮮兵を「撃退した」とする映像を公開。「12人を殺害し、20人に負傷を負わせた」と主張している。

■「ドローン攻撃に対応できず…

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