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2024年8月24日、北朝鮮の国防科学院無人機研究所が製造した自爆型無人機の性能試験。朝鮮中央通信が配信した=朝鮮通信

 朝鮮中央通信は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記が8月24日、自国製の自爆型無人機(ドローン)の性能試験を視察したと伝えました。同通信は「指定された標的を全て正確に識別して攻撃、掃滅した」とし、金正恩氏が自爆型無人機の生産・開発を指示したとも報じました。韓国陸軍第5砲兵旅団作戦将校を務め、北朝鮮の軍事情勢に詳しい、韓国の市民団体「自主国防ネットワーク」の李逸雨(イイルウ)事務局長は、「ロシアとの技術協力があったとしか思えない」と指摘します。

【連載】読み解く 世界の安保危機

ウクライナにとどまらず、パレスチナ情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ250人近い国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。

 ――朝鮮中央通信が公開した写真をどのように分析しましたか。

 公開された写真はモザイクがかかっていましたが、三角形の大きな尾翼が特徴の無人機と円筒形の胴体に2対のエックス型の翼がついた無人機の2種類を確認できました。

 三角尾翼の無人機は、イスラエル製の小型無人機「ハロップ」に、エックス型翼の無人機はロシア製の小型無人機「ランセット」にそれぞれ形状が酷似しています。ハロップもランセットも滞空しながら、識別した目標に自爆攻撃をかける「徘徊(はいかい)型」です。

ウクライナで戦車を破壊 存在感高めるロシアの無人機

 ――ロシア軍のランセットは、ウクライナ軍のドイツ製レオパルト2戦車を破壊しています。

 ランセットは全長1.5メー…

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