北朝鮮が韓国との軍事境界線の北側で、コンクリート製の壁を設置する作業を進めている。北朝鮮側の狙いは不明だが、韓国の専門家の間では、南北の軍事境界線を「国境線」と位置づけ、敵視する韓国とは別国家であることを強調しようとしているとの見方もある。
韓国軍によると、壁がつくられているのは、軍事境界線(東西約250キロ)の南北に幅2キロずつある非武装地帯(DMZ)の北端付近。壁は対戦車用の防壁とみられ、計約4カ所で確認された。高さは4~5メートル、長さは最も長いもので数百メートルある。韓国軍は「兵士や住民の脱北を防ぐなど、内部統制力を強化するための措置」とみている。
北朝鮮は4月ごろから、多くの兵士を投入し、ほぼ人力で作業しているという。前線地域に地雷を埋設する作業も進められている。一連の作業で爆発事故が相次いで発生し、多くの死傷者が出たという。作業中の兵士が誤って軍事境界線を越えたとみられる一時侵犯も今月9日以降、複数回発生した。
南北連結鉄道のレールも撤去
北朝鮮の金正恩(キムジョン…