韓国統一省は26日、北朝鮮が住民に体制への忠誠を求める「忠誠宣誓」の日を変更し、今年は金正恩(キムジョンウン)総書記の誕生日とされる1月8日に行ったことを確認したと明らかにした。金正恩氏の偶像化を進める動きの一環と分析している。
統一省関係者などによると、忠誠宣誓は勤労団体や青年組織などの単位で住民らを集めて行われ、最高指導者と朝鮮労働党への忠誠を誓う。これまでは1月1日のほか、金正恩氏の祖父の故・金日成(キムイルソン)主席の誕生日(4月15日)や父の故・金正日(キムジョンイル)総書記の誕生日(2月16日)に行われていた。
また、労働新聞は10月13日以降、金日成氏の生まれた1912年を元年とする「主体年号」の使用をやめている。統一省関係者によると、朝鮮中央テレビの再放送の映像からも、主体年号の登場する場面が削除されているという。
統一省関係者は、2021年ごろから始まった金正恩氏の偶像化の強化が、今年さらに「目に見える形で格上げされている」と評価。金正恩氏の権力承継から10年を超え、「一定の自信や40歳に達したことが背景にある」と推定する。(ソウル=太田成美)