ハムスター由来の動物細胞の蛍光画像。赤紫色が葉緑体で、縦に細長い細胞内に、2~6個ずつ取り込まれている様子=松永幸大・東京大教授提供

 植物が光をあびて、酸素や糖分をつくりだす光合成。この反応の一部を動物の細胞でも再現できることを、東京大や理化学研究所などの研究チームがハムスター由来の細胞を使った実験で証明した。植物の特徴を持った動物細胞をつくり、ミニ臓器(オルガノイド)の作製などに役立てたいという。

 東大の松永幸大(さちひろ)教授(分子遺伝学)らは、藻類を食べて葉緑体を取りこみ、光合成による糖などの栄養を得ているウミウシの仲間に着目。哺乳類の細胞に葉緑体を取り込ませて同様の働きを再現できるか実験した。

 チームはハムスター由来の細胞を特定の環境で培養。藻類由来の葉緑体と混ぜ合わせたところ、細胞が葉緑体をのみ込んだ。細胞は最大で45個の葉緑体を取り込み、少なくとも2日ほどは分解が進まずに葉緑体の形が保たれていた。

 細胞に光を当てたところ、光合成の初期反応が起きていることを示す蛍光反応も確認できた。水分子が分解され、酸素が生じているとみられるという。

 光を当てて酸素を自給できる…

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