チャリティー小説企画「あえのがたり」刊行会見で思いを語る呼びかけ人の小川哲さん(左)と加藤シゲアキさん

 能登半島の被災地を物語の力で支援しようと、1980年代生まれの人気作家3人が呼びかけたチャリティー企画のアンソロジー「あえのがたり」(講談社)が22日に発売された。趣旨に賛同した10人の作家がそれぞれに作風を生かした掌編小説を寄せている。

 21日、刊行前に開かれた会見にはアイドルグループ「NEWS」のメンバーでもある加藤シゲアキさん、直木賞受賞作「地図と拳」の小川哲さんが登壇、同「塞王(さいおう)の楯(たて)」の今村翔吾さんもオンラインで参加した。

 まず加藤さんが企画の発端について説明。24年1月中旬、加藤さんの小説が直木賞候補になった選考会の夜に集まった3人が、発生からほどない能登半島地震について「作家として力になれることはないのか」と話し合って生まれたという。

 企画名は能登地域の伝統儀礼「あえのこと」から。「あえ」は「おもてなし」、「こと」は「祭り」を意味する。物語による「おもてなし」を届けようとの趣旨で執筆を呼びかけたところ、朝井リョウさん、麻布競馬場さん、蝉谷(せみたに)めぐ実さん、柚木麻子さんら新鋭・気鋭の作家が賛同し、それぞれ1万字ほどの作品を寄せた。

 加藤さんは「どれも面白く…

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