栄養バランスのとれた冷凍弁当が定期的に届き、電子レンジで温めるだけ――。コロナ禍以降、「冷凍宅食」が広がり続けている。背景の一つに効率を重視する「タイパ」や、「カロパ」の価値観がある。
「30分料理を作ると考えたら、もう時給分で『ペイ』じゃん、って思います」。2年前から冷凍宅食を使う都内の経営者、堀田遼人さん(31)は、料理を作る時間を時給換算すると、宅食は合理的な選択だと語る。
月1回14食が届き、1食あたり税込み680円。お気に入りのメニュー「レモンバターのやみつきローストチキン」では、主菜に加え、「キャベツと豆のトマト煮」など付け合わせ2品も付く。
きっかけは2022年10月ごろ。コロナ禍を機にテレワークが増え、仕事の合間に自宅で効率的に昼食をとりたいと考えた。冷凍庫の容量が足りなくなり、すぐに2台目を買った。
週3日の頻度でテレワークをしている、広告会社員の妻(30)は「化粧もしていない時は、ウーバーイーツの受け取りもしたくない。人と接することを控えたい。省エネです」。
堀田さんが使うのは、イングリウッド(東京都渋谷区)が運営する「三ツ星ファーム」というサービス。同社によると、利用者層は20代から80代まで幅があり、30~40代の女性の割合が高めだ。
巣ごもり消費の先へ、強みは「かけ算」
コロナ禍の20年から事業の…