写真・図版
「お宿イレブン」の入り口に立つ、左から宮原悦久さん、木村さつきさん、増田廣信さん、萩原千人さん=2024年9月15日午後0時6分、徳島県吉野川市鴨島町、能登智彦撮影
  • 写真・図版

 四国八十八カ所霊場を巡礼する外国人が急増し、宿泊施設が不足している。遍路宿の減少に加え、生活習慣の違いや「言葉の壁」から、外国人の受け入れに消極的な宿も少なくないからだ。昨年12月、利用者の8割が外国人の宿が徳島県吉野川市にオープンした。

 第11番札所・藤井寺(吉野川市)近くの「お宿イレブン」。10人が泊まれる2段ベッドを備えたシェアハウス型の宿泊所だ。共用のシャワー、トイレ、キッチンなどがあり1泊4千円(税込み)。朝食は「お接待」としてパン、果物、ヨーグルト、ジュースなどをセルフサービスで提供。英語の観光パンフレットなども置く。

 経営するのは「合同会社遍路イレブン」で、代表の増田廣信さん(75)は主に英語で利用客らと交流する。遍路時に不要な荷物を預かり、離日前の宿泊先などに有料で送るなど、簡素な宿でも細かな配慮が喜ばれている。

 宿を始めたきっかけは14年…

共有