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丸太ハウス「ヌック」。地域の人たちとのつながりが期待できる=15日、津市柳山津興、高田誠撮影
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 三重県内初となる県立夜間中学校「みえ四葉ケ咲(よつばがさき)中学校」が、4月に開校する。津市柳山津興の県立みえ夢学園高校の敷地に完成した校舎は、楽しく安心して学べ、異年齢の仲間や地域などとのつながりを大切にしたいという思いが込められている。

 みえ四葉ケ咲中学校は、様々な理由で義務教育を十分受けられなかった人は夜間中学(修業年限3年、最長9年まで)に、不登校の中学生らは学びの多様化学校(修業年限3年)の両コースに分かれて週5日学ぶ。

 本校舎は、鉄筋コンクリート造り3階建て延べ約1400平方メートル。もともと乳幼児教育センターとして設けられ、みえ夢学園高の研修棟に使われていた建物を約3億円かけて改修した。

 1階に4教室あり、1教室で6~15人程度が学べる。3教室内の前後に黒板とホワイトボードがある。黒板にあこがれる人もいれば、逆に嫌な人もいて配慮したという。教室の出入り口に明るい色を使い、ドアはスライド式で大きく開き、窓は大きく開放的な雰囲気だ。

 「エブリンクスペース」は生徒が自習したり、本を読んだり、休憩したり、交流したりする場だ。天井には温かみのある木材が組まれていて、ゆったりと過ごせそうだ。保健室や相談室もある。

 2階は職員室や会議室など。3階の多目的ホールはみんなが集う場で、様々な体験活動を通して判断力や社会性を身に付ける「よつばタイム」や表現力を伸ばす「パフォーマンスタイム」などに活用する。

 別棟に、丸太ハウス「ヌック」(延べ約70平方メートル)がある。探究学習のほか、地域の人たちともの作りなどを通してつながる場所だ。

 他人と机を並べることが苦手な人は、好きなスペースで個別に勉強できるという。

 定員は年齢や国籍に関係なく計50人程度。4月入学の申し込み締め切りは3月14日だが、年度途中の入学もできる。いまのところすでに県内各地から50人程度の希望がある。夜間中学体験教室「まなみえ」の参加者も10人程度入学予定だ。

 県教育委員会夜間中学設置準備班の前田亜弓班長は「一人ひとりの学びたいという気持ちを大切に、楽しく安心して学べる場にしたい」と話している。問い合わせは準備班(059・224・2766)へ。

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