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定例会見で質問に答える斎藤元彦知事=2025年1月29日午後3時3分、兵庫県庁、杉山あかり撮影

 兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した元西播磨県民局長の公用パソコンにあった私的情報を、前総務部長が県議らに漏らしたとされる疑惑で、斎藤知事は29日の定例記者会見で第三者にあたる弁護士の調査結果を待って判断するとの慎重な姿勢を示した。県議会調査特別委員会(百条委員会)では県議らの証言をもとに、前総務部長に対する地方公務員法の守秘義務違反の疑いでの刑事告発も視野に協議すると明らかにしている。

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 27日にあった百条委で公表された聞き取り調査報告によると、山口晋平県議(自民)と迎山志保県議(ひょうご県民連合)の2人が、昨年4月に前総務部長から、元県民局長の私的情報をとじたファイルを見せられたり、読み上げられたりしたと証言した。百条委の奥谷謙一委員長は「守秘義務違反にあたる可能性は十分にある」としている。

 情報漏洩(ろうえい)の疑いについて、県は弁護士事務所に依頼し、守秘義務違反にあたるかどうかも含めて慎重に調査を進めているという。斎藤知事は会見で「(県議の証言を)私が現時点で評価する状況ではない。第三者調査を踏まえて県としてどう対応していくか検討し、手続きを経てどうするかを含めて対応を考えていく」と述べた。

 斎藤知事はこれまでの記者会見で、前総務部長らに確認したところ、いずれも関与を否定したと説明してきた。また、前総務部長は昨年10月の百条委の証人尋問で、「(この場での)証言が手がかりとなって、守秘義務違反の嫌疑を受ける可能性がある」と証言を拒否している。

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