今回の大学入学共通テストの「数学」は、昨年までの「数学Ⅱ・数学B」が「数学Ⅱ・数学B・数学C」となった。試験時間も10分増えて70分になり、数学Bの2項目(数列、統計的な推測)と数学Cの2項目(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)の計4項目から、3項目を選択する方式となった。
「数学Ⅰ・数学A」を含めて、今年の問題の傾向や特徴などについて、駿台予備学校数学科の小林隆章講師に聞いた。
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小林隆章講師(数学)
「数学Ⅰ・数学A」の平均点は、2022年に過去最低の37.96点となったが、その後は50点を上回ってきた。今回も昨年並みになると予想する。
新学習指導要領に盛り込まれた「外れ値」「仮設検定」「期待値」が出題された。予想されていた問題で、多くの受験生は対策済みだったと思われる。
「数学Ⅱ・数学B・数学C」は、「数学Ⅱ・数学B」よりもページ数がかなり増えた。ページをめくる回数が多いと、大問全体を関連づけて考えることに慣れていない受験生は焦ってしまう。こうした問題形式に合わせた対策が必要になる。
第7問で扱われたのが「複素…