中央教育審議会の「審議まとめ」を受けて記者会見した現役教員や研究者ら=2024年5月13日、文部科学省、高浜行人撮影
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 公立学校教員の長時間労働が問題となるなか、人材確保に向けて働き方改革や給与制度改正などについて議論してきた文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の特別部会が13日、具体案を盛り込んだ「審議まとめ」を了承した。「残業代なし」の給与制度の大枠維持が決定的になったことを受け、大学教授や教員ら有志が記者会見し、「この案では長時間労働は解消しない」などと批判し、審議のやり直しを求めた。

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 審議まとめでは、公立学校教員に残業代を出さない代わりに、基本給の4%の「教職調整額」を一律に上乗せすることを定めた「教員給与特措法」(給特法)をめぐり、教職調整額の割合を「4%」から「10%以上」に増やすことなどが盛り込まれた。働いた時間に応じた残業代が出ない現行の仕組みは維持される。

 これについて、給特法の廃止を求めてきた岐阜県立高校の西村祐二教諭は「正直、0点。これでは残業が教員のボランティアであり続け、(校長ら)管理職は免責され続ける」。最近、知人の40代教員2人が精神疾患になって退職したと明かし、「今後、教職を続けられるかと考えてしまう。審議を一からやり直してほしい」と求めた。

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