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生成AI関連市場は3層構造になっている

 公正取引委員会は2日、生成AI(人工知能)関連市場の実態調査を開始したと発表した。AI開発に必要な計算設備や大量のデータを保有する一部の巨大企業が、競争を妨げる恐れがないかを調べる。動きの速い生成AI市場の実態把握を急ぎ、競争上の懸念への対応を早める狙いがある。

 公取委は調査に先立ち、論点を整理した文書を公表した。生成AIの関連市場を、「インフラ」「モデル」「アプリケーション」の3層構造で捉え、それぞれで問題となりうる点をまとめた。

 生成AI開発では、基盤となるモデルの開発に大量のGPU(画像処理装置)や学習データが必要で、専門知識をもった人材も欠かせない。GPUは米エヌビディアが世界の市場シェアの8割を占め、学習データや専門人材も米グーグルや米マイクロソフトなどの巨大IT企業に集中している。こうした開発資源へのアクセスが巨大ITによって制限されれば、新規参入の機会が失われる懸念があると示した。

 AIの基盤モデルはそれ単体…

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