NHKのアナウンサーだった落語家がいる。5月に二ツ目昇進を果たした、入船亭扇七さん(34)。出身地埼玉への「恩返し」と銘打って、7月に昇進祝いの落語会をさいたま市浦和区の埼玉会館で開催する。
本名は鈴木崇広さん。埼玉県朝霞市で生まれ育ち、大学卒業後の2012年、NHKにアナウンサーとして入局した。
元々、テレビ局で働くことを夢見ていた。小さい頃からテレビっ子で、テレビのエンタメ性に引かれた。就職活動ではアナウンサーだけでなく、制作の職種も含めてテレビ局を複数受けた。NHKに内定し、入局後は福井放送局へ配属された。ニュースを読むほか、ラジオDJや、中継リポーター、旅のロケなどと仕事を覚えていった。
福井での日々は充実していたが、3年目の春を迎えたころから、将来に不安を覚えるようになった。「アナウンサーの仕事に、専門性を見いだすことができなくなった」という。
タレントが番組の司会やリポ…