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母校の生徒に質問しながら講演する高校生平和大使の佐藤凛汰朗さん=2024年12月13日、岩手県釜石市の釜石中、東野真和撮影
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 【岩手】核兵器廃絶と平和な世界の実現のために活動する「高校生平和大使」の釜石高2年・佐藤凛汰朗さん(17)が13日、母校の釜石中学校で講演した。約290人の生徒に「ぼくたちは微力だけど無力じゃない」と、小さくても平和のために何ができるか問いかけた。

 高校生平和大使は被爆地の長崎で始まった。27代目の今年は全国で23人が選ばれ、核兵器廃絶を求める署名を集め、9万6428筆を8月にスイスの国連欧州本部に提出した。

 講演で佐藤さんは、原爆被害の画像を見せ、被爆者が今も後遺症に苦しみ差別を受けていることなどを説明。「核兵器は人を殺し、町を壊滅させるためにある。それを脅しに使い、貿易や外交を有利に進めようとしている」と述べた。

 そのうえで「みなさんは戦争を身近に思えないだろう」と話を釜石に変えた。太平洋戦争で連合軍から艦砲射撃を受ける一方、捕虜収容所があって虐待を受けた捕虜もいたことから、「戦争は被害と加害の両面で考えよう」と話した。

 生徒からは「初めて戦争を知った時、どう思ったか」「自分が思う平和とは」などと質問が次々飛んだ。佐藤さんは被爆者から聞いた体験談を思い浮かべながら「爆弾が落ちてきて人が焼かれ、その死体を踏んで歩いたらどう思うか、考えてみてほしい」「この学校の日常が、ガザやウクライナの同級生には一番欲しいものだったりする。毎日を大事に生きよう」と呼びかけた。

 講演後、佐藤さんは「思ったより反応がよかった」と話し、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受けたことに「受賞がゴールではなく今後が重要。被爆者の高齢化が進んでいる。自分たちが伝える活動をしたい」と決意を語っていた。

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