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 第77回秋季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催)は29日、神奈川県の等々力球場などで準々決勝があった。群馬県勢は、健大高崎(群馬1位)が佐野日大(栃木1位)に10―3でコールド勝ち。3年連続で4強入りを決め、来年春の選抜高校野球大会への出場が有力になった。エース石垣元気(2年)は等々力球場の表示で、自己最速を更新する158キロを記録した。11月2日、準決勝で千葉黎明(千葉1位)と対戦する。

 三回表、同点とした健大高崎はさらに2死一塁で杉山翔大(2年)が打席に立った。カウントは2ボール。「打者優位。直球が多くなるはず」。外角高めの直球を振り抜くと、一塁走者の小堀弘晴(2年)が一気に生還。勝ち越しの右中間二塁打となった。

 「県大会も関東大会の初戦も好機で点を返せなかった。やっとチームのために役割を果たせた」

 健大高崎は新チームになってからの公式戦で、相手に得点を先行されたことがなかった。だが、この試合では二回裏に3点を奪われ、逆転を許していた。三回表にすぐさま秋山潤琉(ういる)(2年)の本塁打で同点に。杉山は「相手に行きかけた流れを一気に引き戻してくれた。お陰で緊張がほぐれた」。この日は3安打1打点、本塁を3度踏み、勝利に大きく貢献した。

 埼玉県川口市出身。中学生の頃に所属していた「東練馬リトルシニア」で1年上の先輩だった田中陽翔(はると)(3年)が健大高崎に入ったのを追いかけて、入学した。「中学の頃は田中さんと二遊間を組んでいた。また田中さんと野球がやりたくて」。田中は24日にあったプロ野球ドラフト会議でヤクルトから4位指名され、「すっごくうれしかった」と言う。

 4強入りし、選抜大会出場が見えてきた。だが、この日の勝利は「通過点に過ぎない」と杉山。その先は、関東大会で優勝し、明治神宮野球大会でも優勝。そして「選抜の優勝旗を全員で返しにいきたい」。(中沢絢乃)

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