映画「アディクトを待ちながら」の一場面(俳優は高知東生さん)

 薬物、アルコール、ギャンブルなど依存症からの回復をテーマにした映画が完成し、29日、東京を皮切りに各地で公開が始まる。依存症を経験した俳優らを積極的に起用しており、制作サイドは「リアルなキャスティングの力で、依存症への誤ったイメージを正したい」としている。

 映画「アディクトを待ちながら」は、高知東生さん演じる歌手が覚醒剤と大麻の所持容疑で逮捕されたというニュースから始まる。2年後、歌手は薬物依存症から回復し、様々な依存症の当事者(アディクト)や家族でつくるゴスペルグループのライブに出演が決まる。ところが、当日、彼は時間を過ぎても会場に現れない。

 「スリップ(依存の再発)したのでは」と不安を募らすメンバー。「また裏切るのか」と怒りをぶちまけるファン。1人の歌手を待つ会場の内と外で、依存から抜け出す苦しみ、家族が抱く複雑な思い、社会の偏見に満ちた声が交差する。

当事者をキャスティングした狙いとは

違法薬物関連で逮捕歴がある俳優も含めて、この映画では当事者らを多く起用しました。記事の後半では、ナカムラサヤカ監督にその狙いも語ってもらっています。

 2年前、俳優を養成するワー…

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