「小説 上杉鷹山」などの歴史小説で知られる、作家の童門冬二(どうもん・ふゆじ、本名太田久行〈おおた・ひさゆき〉)さんが昨年1月に死去していたことがわかった。96歳だった。家族葬を営んだ。本人の意向で遺族が1年間公表を控えていた。

 1927年、東京生まれ。東京都庁に勤め、知事秘書、企画調整局長などを歴任した。美濃部都政を支えた後、79年に退職。作家活動に専念する。

 代表作の「小説 上杉鷹山」は江戸期に米沢藩政を立て直す名君を描き、ベストセラーとなった。組織と人間の関係に焦点を当てた、歴史小説を多く残した。99年に勲三等瑞宝章。

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