佐々木朗希が18日、ドジャースとマイナー契約を結ぶことになったと発表した。憧れを抱き続けてきた大リーグの舞台のスタートラインに立った。しかし、祝福ムードに包まれて海を渡るとは言い難い。
比較対象の一つとなるのは、同じくポスティングシステムで昨季ドジャース入りした山本由伸のケースだ。
- 佐々木朗希へ「きっと被災地は大丈夫」 母を亡くした幼なじみの思い
2021~23年のオリックス時代の山本は、164~193余りの投球回を稼ぎ、いずれも防御率1点台だった。
3年連続で沢村賞を受賞し、チームのリーグ優勝に貢献。日本球界でやり残したことはない状態で旅立った。さらに約72億円の巨額の譲渡金を古巣に残した。
一方で佐々木は、昨季初めて2桁勝利を達成したものの規定投球回には未達。移籍によってロッテにもたらされる譲渡金も、制度の影響でわずかになる。
大リーグは、ドラフト指名対象となる米国、カナダ、プエルトリコ以外の選手が、25歳未満またはプロ6年未満で契約する際の金額に上限を設けている。
球団ごとに、約510万~750万ドル(約8億~11.7億円)が割り当てられた「国際ボーナスプール」の枠内で契約金をまとめる必要がある。上限を超過すると罰則がある。選手はマイナー契約しか結ぶことができず、前所属球団に譲渡されるのは契約金の25%となる。
資金力の豊富なチームによる若手の「乱獲」を防いで戦力均衡を図るためのルールだが、佐々木の移籍を巡っては建て付けに無理があると感じる。
23歳で入団5年の佐々木は、大リーグの定義では「アマチュア」に区分される。これは東京・桐朋高からアスレチックスとマイナー契約を結んだ森井翔太郎(18)や、多くの中南米の原石と同じだ。
これから素質に磨きをかけるティーンエージャーと、160キロ超の速球と150キロ前後のスプリットを国際大会でも投じ、今すぐ数十億円規模の契約ができる能力のある投手を同列に扱うことが適切だろうか。
弊害も出ている。
AP通信は、佐々木が中南米…