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9月24日夜に開かれた教職員や生徒など学校関係者による集会=オンライン画面から

 【長野】伊那市にある伊那北高校と伊那弥生ケ丘高校との統合をめぐり、長期間のプレハブ生活などを送ることになる生徒らへの影響を懸念する声があがっていた問題で、県教育委員会が新たな計画案を示した。仮設校舎の設置場所を変更したり新校舎建設の着工時期を前倒ししたりすることで生徒らの生活、学習環境への影響を減らす考えだ。

 県教委が9月24日夜、伊那市で開いた学校関係者らの集会で明らかにした。

 同市の統合校をめぐっては当初、完了までの移行期間中に使う仮設校舎を伊那弥生ケ丘の敷地内につくり、伊那北の敷地内に建てられる新校舎の工事は2027年度から始まるとされた。開校は28年4月、完成は29年度末となっていた。

 新たに示した案は、仮設校舎を設ける場所を伊那北の敷地とし、新校舎の着工時期は26年度からに前倒しする。完成時期は30年度中となり、当初より遅れる見通し。コストが高くなり、工事に伴う騒音問題が生じるが、伊那北の生徒らは27年10月段階で、同校内にできる校舎を部分的に使用できるようになる。

 県教委が当初示した案では、新校舎ができるまで伊那北の生徒らはプレハブのできる伊那弥生ケ丘に通うことになっていた。2校の生徒らが限られたスペースに集中することになり、生活環境への影響が懸念されていた。

 県教委は、不安の声を寄せていた生徒や教職員らに対し、7月下旬にアンケートを実施し、その結果も参考にして今回の案を作成した。阿部守一知事は9月26日の記者会見で「地元ではまちづくりにつなげようと、伊那新校への期待も高い。いい形で、新しい高校ができるよう取り組んでいきたい」と話した。(遠藤和希)

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