利上げ休止時期が今後の投資家の焦点に-シュワブのフリン氏 – Bloomberg

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1日の米株式相場は続伸。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の記者会見で、当局はインフレとの闘いで進展したとの見解を示した。ただ、追加利上げが正当化される可能性は高いとも警告した。

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 4119.21 42.61 1.05%
ダウ工業株30種平均 34092.96 6.92 0.0%
ナスダック総合指数 11816.32 231.77 2.0%

  S&P500種株価指数は1%余り上昇。大型ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は2.2%値上がりした。パウエル議長は「ディスインフレのプロセスが始まっている」とし、積極的な引き締めサイクルが物価上昇ペースの鈍化という望ましい効果をもたらし始めていることを示唆した。

FOMC、0.25ポイントに利上げ減速-さらなる引き上げが適切に (3)

  通常取引終了後の時間外取引では、フェイスブック親会社のメタ・プラットフォームズが一時15%超上昇。力強い広告需要を追い風に、売上高が予想を上回った。

  ルネサンス・マクロ・リサーチのエコノミクス担当責任者、ニール・ダッタ氏は「パウエル議長は金融状況が著しく引き締まったと述べた。実際には、金融状況は著しく緩和しているにもかかわらずだ。同氏がこれを言ったという事実それ自体がハト派的だ」と指摘。当局が「時期尚早に勝利を宣言する」確率は高まりつつあると、付け加えた。

  ラザードのチーフ市場ストラテジスト、ロナルド・テンプル氏は「市場はもう1回だけの利上げを織り込んでいるが、FOMCの発表は複数の追加利上げが適切になる可能性を示唆している。米求人件数が記録的な水準に近いことを示唆するこの日の統計も踏まえると、金利がどこまで高くなり、その水準にどの程度長くとどまるかについて市場はなおハト派に傾き過ぎていると考える」と述べた。

  チャールズ・シュワブUKのマネジングディレクター、リチャード・フリン氏は、投資家は利上げが休止される時期に焦点を移すだろうと述べた。

米国債

  米国債は上昇。2年債利回りは一時12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.08%。10年債利回りは一時3.38%を付けた。パウエル議長は近い将来の利上げがなお議題に上っていると示唆したが、短期金融市場では年末までの利下げがさらに織り込まれた。

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 3.57% -6.64 -1.8%
米10年債利回り 3.42% -9.03 -2.6%
米2年債利回り 4.11% -9.48 -2.3%
    米東部時間 16時57分

外為

  外国為替市場ではドル指数が昨年4月以来の水準に低下。FOMCが利上げペースを落とした後、パウエルFRB議長はあと「2回ほどの」利上げを協議中だと話した。ユーロは上昇。欧州中央銀行(ECB)は2日に政策決定を発表する。

  円は対ドルで上昇し、128円台後半。一時は128円55銭を付ける場面もあった。

為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1213.96 -9.24 -0.8%
ドル/円 ¥128.93 -¥1.16 -0.9%
ユーロ/ドル $1.0989 $1.26 1.2%
    米東部時間 16時57分

  クレディ・アグリコルCIBのG10通貨戦略責任者、バレンティン・マリノフ氏は「ドルは全面安となっている」と指摘。「ユーロと円が思いも寄らない勝ち組となる可能性がある」と続けた。

原油

  ニューヨーク原油先物相場は反落し、約1カ月ぶりの大幅安となった。米エネルギー情報局(EIA)のデータで原油在庫が2021年6月以来の水準に膨らんでいることが示され、売りが優勢になった。

  同データによれば、製油所の稼働率が比較的低いにもかかわらず、留出油など石油製品の在庫も増加した。

  みずほセキュリティーズUSAの先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は、こうしたデータは足元の需要がさえない状況を示していると指摘した。

  ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は、2.46ドル(3.1%)安の1バレル=76.41ドルと、終値として1月10日以来の低水準となった。ロンドンICEの北海ブレント4月限は2.62ドル安の82.84ドル。

  ニューヨーク金スポット相場はパウエル議長の発言を受けて上昇。FOMCの利上げ決定後、同議長の会見までは前日比ほぼ変わらずで推移していた。ニューヨーク時間午後3時21分現在は、前日比0.7%高の1オンス=1942.51ドル。一時は1%上げる場面もあった。

  ブルー・ライン・フューチャーズのチーフ市場ストラテジスト、フィル・ストライブル氏は「FOMC声明自体はタカ派的だったが、発言はその逆だった」と指摘。「金市場は利上げサイクルの終了が視野に入っているとみている」と述べた。

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