広島大の岡本慎平助教=本人提供

 介護の現場で広がりつつあるロボット。認知症ケアへの活用も研究されています。ケアと人間、ロボットの関係を、これからどう考えていくべきなのか。「ロボット倫理学」に詳しい広島大・岡本慎平助教(倫理学)に聞きました。

 認知症ケアへのロボットの活用の先駆けは、1990年代に産業技術総合研究所(茨城県つくば市)で開発が始まった「パロ」です。もともと、犬や猫で認知症の改善や予防のセラピーがされていましたが、動物型のロボットでも一定の効果がみられたということで、国内外に広まりました。

ヨーロッパで起きた「お人形遊び」批判

 こうした「ロボットセラピー」は、国内では容易に受け入れられましたが、ヨーロッパでは2000年代の導入当初、大きな反発がありました。「ロボットを生き物のようにみせかけて、認知能力が落ちた高齢者をだまして『お人形遊び』をさせている」という批判です。

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