電車のかたちをしたアパートを建てた仲丸裕子さん=2025年1月8日、東京都調布市柴崎1丁目、平山亜理撮影

 東京・調布の商店街に電車のかたちをしたアパートを建てた女性がいる。その車両ならぬ建物は、京王電鉄の前身である京王電気軌道の「23形」にそっくり。方向幕にある「柴崎」に、女性はある思いを込めていた。

1K~1LDKまで6部屋 家賃は7万7千円から

 京王線柴崎駅(調布市菊野台2丁目)を北へ向かって甲州街道をわたると、深大寺通り商店街が見えてくる。その一角に昨年2月、「電車アパート」は突如姿を現した。鮮やかな茶色の「車両」。脇にはセットの警報機まである。

 1Kから1LDKまで6部屋あり、2階建ての物件も。家賃は7万7千円から。それにしてもなぜ、「23形」のかたちなのか。

 「それはね、かつてこの地に柴崎駅があり、ここを電車が走っていたからなんです」

 アパートの大家であり、近くで喫茶店を営む仲丸裕子さん(66)がおしえてくれた。

 1921(大正10)年の国…

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