エアウィーヴ会長兼社長の高岡本州さん。パリ五輪・パラリンピックの選手村に入れた段ボールベッドの脇で=東京・大手町

 パリ五輪で選手たちの睡眠を支えているマットレスは、大会が終わったあとも活躍が続くそうです。寝具の再利用を日本でももっと広めたい、というエアウィーヴの高岡本州会長兼社長に話を聞きました。

リレーおぴにおん 「集まれば」

 2007年にマットレスパッドの販売を始めたとき、リユースやリサイクルができるとうたっても、ほぼ振り向いてもらえませんでした。

 ポリエチレン樹脂を溶かし、糸状に絡み合わせて成形した当社開発の寝具は、水洗いして清潔にできるので、再利用に回せます。砕いて溶かして素材に戻せば、新たな製品に作り直すこともできます。

 東京五輪・パラリンピックが、もっと力を入れたいと考えたきっかけでした。大会の公式パートナーとして、1万8千床の段ボールベッドやマットレスを選手村に入れましたが、日本にはベッドを再利用するという文化がほぼないのでしょう。組織委員会からは大会後の引き取りを求められました。公共の宿泊施設や鉄道会社に声をかけ、すべてリユースとリサイクルに回りました。

 パリ五輪では1万6千床を選手村に入れましたが、日本とは違いますね。大会後の再利用が明確な条件でした。紹介を受けた仏軍や生活困窮者の支援団体などと交渉しました。

 日本ではたいてい、寝具を使…

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