会見する国家発展改革委員会の鄭柵潔主任=2024年10月8日、北京市、鈴木友里子撮影

 中国政府は8日、景気を下支えするための超長期国債の引き続きの発行や予算の前倒し執行などの経済対策を発表した。経済の失速が鮮明になる中、9月末に発表した大規模な金融緩和策に続き、大規模な財政出動への期待が高まっていた。

 中国政府は今年、1兆元(約21兆円)の「超長期特別国債」を発行し、大規模な設備更新や消費喚起などの政策の財源に充ててきたが、来年も発行を続ける。また来年の中央政府予算などのうち計2千億元を前倒しして今年執行し、重要プロジェクトなどを地方政府が早期に始められるよう支援する。

 マクロ経済政策を担う国家発展改革委員会の鄭柵潔主任はこの日の会見で、「(外部環境は)世界的に貿易保護主義が強まっており、不確定で不安定な要素が増えている」と指摘。国内の経済環境も「投資や消費などの主要経済指標に不安定さが表れている」とした。一方、中国経済は全体的には安定しているとした上で、「5.0%前後」とする年間経済成長目標の達成については「十分に自信がある」と語った。(北京=鈴木友里子)

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