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第77回秋季東海地区高校野球大会 宇治山田商―中京大中京 三回裏、中京大中京・村上のスクイズで三塁走者田中太が生還=2024年10月19日午前10時28分、ちゅ~る清水、川西めいこ撮影
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 第77回秋季東海地区高校野球大会(東海地区高校野球連盟主催)が19日、静岡県で始まり、1回戦4試合があった。夏の甲子園に出場した中京大中京(愛知2位)は宇治山田商(三重3位)に1―0で勝ち、名古屋たちばな(愛知3位)は中京(岐阜2位)に1―4で敗れた。20日は準々決勝があり、至学館(愛知1位)は聖隷クリストファー(静岡3位)と、中京大中京は大垣日大(岐阜1位)と対戦する。

中京大中京・田中太久哉選手

 (中京大中京1―0宇治山田商)

 高校生になって初の完投は、完封勝利だった。中京大中京の田中太久哉投手(2年)が、今春の選抜大会に出場した宇治山田商を被安打6の無失点で抑え、投手戦を制した。

 試合の2日前、高橋源一郎監督から先発を伝えられた。秋の県大会はすべて継投での登板。割り切ろうと思ったが、先発のマウンドに立ちたい気持ちは強かった。「先発なら試合を自分のリズムで作っていける。うれしかった」

 テンポよく投げて攻撃につなげようと、緩急をつけた配球で相手を打たせて取り、先制の1点を守り抜いた。高橋監督も「期待に応えてくれた。チームからの信頼も、経験もある。ナイスピッチングだった」。

 岡部純陽(じゅんや)選手(2年)と2人で主将を務める。夏の甲子園でも投げ、エースとして新チームを引っ張っている。「今日勝っても明日勝たないと意味がない。もう一回、甲子園に戻りたいです」(川西めいこ)

名古屋たちばな・金竹飛緯朗選手

 (中京4―1名古屋たちばな)

 4点を追う七回、2死三塁のチャンス。名古屋たちばなの打者、金竹飛緯朗(ひいろう)選手(2年)は初球のまっすぐを振り抜いた。打球が右前へ弾み走者が生還すると、一塁上で右拳を突き上げた。

 それまでの打席は2打数無安打。1番打者としてチームを勢いづけられなかった。「受け身になってしまい、迷いがあった」。4打席目で「多少のボール球でも打つ」と気持ちを切り替え、やっと快音を響かせた。

 「ひいろう」という名前は、「誰かを助けるスーパーヒーローになってほしい」と父が付けた。チームメートからも下の名前で呼ばれ、気に入っているという。

 チームを勝たせるヒーローになれなかった悔しさは、最後の夏にぶつける。「『絶対(塁に)出てくれる』と思われる1番バッターになりたい」(松本敏博)

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