
ドイツを訪問中の岸田文雄首相は12日夕(日本時間13日未明)、同国のショルツ首相と会談し、経済安全保障に関する協議の枠組みを設けることで合意した。重要鉱物資源の輸出規制など「経済的威圧」を強める中国を念頭に、世界3位と4位の経済規模を持つ両国が連携して対応する方針を確認した。
会談は、ワーキングディナーを含め2時間行われた。国際会議を除けば日本の首相として7年ぶりにドイツを訪れた岸田首相は共同記者会見で「自由で公正な国際経済秩序を維持・拡大していくためには、産業構造や高度な技術力で共通点を持つ日独の連携がますます重要だ」と語った。ショルツ首相も「公平な競争条件を確保し、誰もが共通のルールを順守するためには、我々の緊密な協力が不可欠だ」と応じた。
新たな協議の枠組みは、日本側が外務省と経済産業省、ドイツ側は経済・気候保護省の審議官級が参加。重要鉱物や半導体の供給網の強化などについて話し合う。会談では、人工知能(AI)やサイバー分野の国際ルールづくりへの協力でも一致。昨年3月に両国の閣僚を交えて日本で初めて開催した「政府間協議」を来年にドイツで開く方針も確認した。
新たな協議の枠組みは日本側…