米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当、写真)と中国の王毅外相が地中海の島国マルタで週末に会談したと、両国が9月17日に個別に発表した。ワシントンで15日撮影(2023年 ロイター/Sarah Silbiger)
[ワシントン/北京 17日 ロイター] – 米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国の王毅外相が地中海の島国マルタで週末に会談したと、両国が17日に個別に発表した。
ホワイトハウスと中国外務省の声明によると、会談は16日から17日にかけて複数回実施され、双方は「率直で実質的かつ建設的」な話し合いを行ったという。
また米政権高官は、途絶えている両国軍の対話再開の可能性を示す「限定的な」初期の兆候があったと述べた。
軍の対話に関する見通しについて、中国政府高官はコメントしなかった。
両国は一連のハイレベル協議を行ってきており、年内の米中首脳会談実現に向けた基礎固めとみられる。
米政権高官が記者団に語ったところによると、マルタでの会談は2日間で約12時間に及んだという。
中国外務省は、双方がハイレベルの交流を維持し、アジア太平洋問題、海洋問題、外交政策について2国間協議を行うことで合意したとした。
米高官によると、米国は中国によるロシア支援や、中国軍機の台湾海峡中間線越えなどへの懸念を表明しながらも、麻薬対策、人工知能(AI)、気候変動といった分野で協力する用意があると伝えた。
中国外務省によると、台湾問題は「中米関係で乗り越えられない最初のレッドライン」と王氏は警告した。
王氏はまた、中国の発展には「強い内部的な勢い」があり、止めることはできないと指摘。「発展に対する中国人民の正当な権利を奪うことはできない」とも述べた。
米国は、両国に利益をもたらす公正なルールに基づく中国との健全な競争を目指す姿勢を示しているが、中国は競争を促しているにもかかわらず、米国が中国の成長抑止と封じ込めに従事しているとしている。
ホワイトハウスは声明で、米中間の会談がさらに増えることを強く示唆し、双方が「この戦略的な意思疎通のチャンネルを維持し、今後数カ月の間に重要分野でさらなるハイレベルの関与と協議を追求することを約束した」とした。
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