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国内外からギャラリーが集う「アートフェア東京」。今年は3月7~9日に開かれる=2024年3月、東京都千代田区の東京国際フォーラム

 世界の中ではまだまだ小さい日本のアート市場。しかし成長率は世界全体を上回っている――。文化庁は海外の専門家と協力して、日本のアート市場の現状を分析したリポートを昨年末に公開した。文化庁としては初の試みで、得られた結果を今後の施策の土台にしていくという。

 世界のアート市場調査としては、世界最大級のアートフェア「アート・バーゼル」とスイスの金融機関UBSが公表している「グローバルアートマーケットリポート」が国際的に知られている。これを担当するアーツ・エコノミクス社のクレア・マッカンドリュー博士と連携し、今回のリポート「The Japanese Art Market 2024」を作成した。

 これまでにも国内のアート市場規模を推計した調査はあったが、購入者へのアンケートを基に推計するなど国際的な調査とは手法が異なり、他国との比較が難しかったという。

 リポートによると、2023年の日本のアート市場の総売上高は6億8100万ドル(946億5900万円)と推定され、前年の7億5600万ドルからは10%減少した。一方、コロナ禍以前の19年との比較では、世界のアート市場の成長率は1%だが、日本は11%と世界全体を10ポイント上回る。

日本のアート市場、世界と比べると…

 世界のアート市場に占める各…

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